【理学療法士が解説】姿勢改善の落とし穴。

予防リハコラム

「鏡」を見る前に知っておきたい、脳に気づいてもらうコツ

「猫背を直したい」「もっと綺麗な姿勢で歩きたい」
そう思って、鏡の前で背筋を伸ばす練習をしていませんか?

実は、理学療法士の視点から見ると、
鏡の前だけで練習しても姿勢はなかなか定着しません。

そこには、私たちの**「脳の使い方」**が関係しています。


1. 鏡の中の自分は「演出された姿」

鏡の前に立つと、私たちは無意識に
「よく見せよう」というスイッチが入ります。

背筋を伸ばし、顎を引き、理想の形を作ってしまう。

これは悪いことではありませんが、
脳が今の**「本当の姿」**をごまかしてしまっている状態です。

いわば、鏡の前の姿勢は**「よそ行きの顔」**。

普段の生活で、無意識に体がどう使われているのか、
その「真実のクセ」は鏡の前では隠れてしまうのです。


2. 本当の姿勢は「ふとした瞬間」に現れる

あなたの姿勢のクセが最も正直に出るのは、
意識が体から離れている**「無意識の瞬間」**です。

  • 電車の窓に映った、ぼんやりしている自分の姿
  • 街中のショーウィンドウを通り過ぎる瞬間のシルエット
  • 料理やデスクワークに夢中になっているときの立ち姿

この「ふとした瞬間」に映る姿こそが、
今のあなたの脳が記憶している
**「本来の姿勢(デフォルト設定)」**です。


3. 姿勢分析のプロが教える「左右差」の重要性

姿勢をチェックするとき、難しい理論は必要ありません。
まずは**「左右差」**に注目してください。

  • 肩の高さが左右で違う
  • いつも同じ側の足に体重を乗せている
  • 片脚だけあぐらをかきやすい
  • 片方だけ動かしにくい、重い感覚がある

見た目だけでなく、
動かしたときの**「感覚の差」**がとても大切です。

「右は軽いけれど、左はなんだか詰まっている感じがする」

この小さな違和感を見つけることが、
姿勢改善の大きな一歩になります。


4. 脳は「気づいたこと」しか修正できない

人間の神経系には、
エラーを正しく認識すれば、自動的に調整しようとする
という自己調整の仕組みがあります。

自分では気づいていないズレは、
脳にとっては「問題がない状態」。

だから修正も起こりません。

でも、
「あ、今は右に重心が寄りすぎているな」
はっきり気づくことで、
脳は自然にバランスを取り始めます。

無理に力を入れて作る姿勢は疲れますが、
脳が気づいて調整した姿勢は、
体が自ら選んだ、楽で安定した位置になります。


姿勢は「作るもの」ではなく「思い出すもの」

良い姿勢とは、
頑張って維持するものではありません。

あなたの体が本来持っている
心地よい状態を、少しずつ思い出していくプロセスです。

まずは今日、
窓やガラスに映った自分をそっと眺めてみてください。

評価も、反省もいりません。
ただ
「今の自分はこうなんだな」
と気づくだけで十分です。

その気づきが、
あなたの姿勢を変える最初の一歩になります。


YOHAKUより

YOHAKUでは、理学療法士としての動作分析をもとに、
無理に正すのではなく、
体と脳が自然に整っていくサポートを行っています。

世田谷区・千歳烏山近郊で
姿勢や体の使い方にお悩みの方は、
お気軽にご相談ください。

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